キーワードは『透明感』
昨年は無色透明なグミがヒットしました。iPhoneのケースやスマホリングも透明が人気で、洗濯洗剤も透明ボトルが増えています。これまでも何度か繰り返されてきた透明ブームですが、さて今回の流行はこの不透明な世相と関係があるのでしょうか?猛暑続きの夏だから、涼感たっぷりの“透明”について考えてみましょう。
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巨峰味なのに無色透明
「水グミ」がヒット
色、形、味のバリエーションがいろいろあってSNS映えすると、近年、人気急上昇中のグミ。次から次へとインパクトのある商品が発売される中で、昨年、ひと際注目を集めたのが味覚糖の「水グミ」でした。巨峰味なのに無色透明!想定の7倍の売れ行きで発売当初は欠品状態が続いたそうです。また、カンロの「透明なハートで生きたい」という飴は、コンビニで限定発売されてからわずか2週間で品薄状態になりました。「透明」という言葉から浮かんでくる光が差しこむようなキラキラとしたイメージ、濁りのない涼しげな印象が女子のハートに刺さったのでしょうか。こちらの商品は現役の高校生が開発に参加したそうです。
透明ブームと聞いて思い出すのは、2018年に登場した透明なコーラやビールです。これらの透明飲料は、インパクトはあったものの定番化されることなくひっそりと退場。一方、同じ頃に注目を集め始めていたゼリーや寒天を使った透明スイーツは今も盛り上がりを見せています。コロナ禍を経て手づくりする人も増えたそうで、特に夏場になると、うっとりするほど美しい和・洋菓子の写真がSNSを賑わせています。そして懐かしのクリームソーダも復活!緑色だけでなく無色透明のソーダに赤や黄色のゼリーが浮かんだフォトジェニックなものが人気です。
個性を見せたい、
だから“透明”
透明な瓶にサラダを詰める「ジャーサラダ」を覚えていますか?アメリカから伝わって2015年に日本でも流行し、猫も杓子も瓶にサラダを詰めて見栄えを競っていました。またその頃は、バッグやペンケースなども透明が人気でした。瓶もバックもペンケースもデザインはシンプルですが、そこに入れるもので個性や自分らしさを出す。透明な入れ物は自分を見せるためのショーケースといったところでしょうか。
透明ブームの原点は昭和末期の玩具やファミコンのカセットだったとか。その後、透明ボディのゲーム機が子どもたちの心をわしづかみにし、さらにカラフルなiMacシリーズの登場で大人たちも巻き込んだスケルトンブームが起きました。昨今の透明ブームは平成レトロのリバイバルだという声もありますが、時代を経ても透明グッズは何となくカッコいい!近未来的なイメージや中身が見えるワクワク感があります。