旬の安心野菜と体に優しいパン作り


     

 パンアリエ
富山市田中町3丁目1-31
TEL 076-464-6648

 

自分の子どもに食べさせたい

 フランス語でpain=パン、allier=結ぶ、調和の意。パンアリエは「パンを通じて様々な人と物を結んでいきたい」という森夫妻の想いが込められています。オープンは昨年3月22日、外観は、ピンクベージュの壁に重厚な木肌がしっとりと落ち着いた風情を醸し出しています。店内は対面販売方式で、透明のパネルの奥に存在感のある焼きたてのパンが並んでいました。中でも、旬の野菜がてんこ盛りのオープンサンドの、美しい彩りがひときわ目を引きます。たっぷりの旬の野菜を使い、添加物の入った物を極力使用しないというコンセプトのパンアリエ、その想いを伺いました。
 森オーナーのパン修行は富山で5年、その後大阪で、添加物を使わなくても美味しいパンはできるという考え方のシェフの下で3年、「生地をよく見なさい」「職人同士で問題点を出し合い議論して解決していきなさい」とよく言われたそうです。イーストフードやショートニング、マーガリンや添加物不使用のパン作りを学び、再び富山のパン店で2年の経験を積みました。その間、「そもそも添加物はなぜいけないのか?」と改めて疑問が湧いてきたことと子どもさんの肌トラブルがきっかけで食育講座に通ったり、また別の講座で野菜ソムリエを取得しました。「人の価値観は百人百様、何が悪くて何が良いかは言えない、それぞれに長所と短所がある。ただ自分が納得できる物づくりをしたい。それならば、自分の店では子どもがどのパンを手にとっても安心して食べられるパンを並べたい、そんな店にしたい」と森オーナー。添加物を使わない店であることの意義、添加物って何だということを自分で承知して納得してお客様にも答えられるようでなくては、自分の店の存在意義はないのではないかという想いに辿り着いたそうです。

生産者の顔の見える原材料、
笑顔の輪を広げたい

 2018年3月22日、現在地に独立開業。一日30種ほど、200〜300個のパンが並びます。パン生地には添加物は一切使っていません。焼成後のトッピングや諸々の加工、ボリュームびっくりのサンドイッチなどは奥様の担当です。契約農家から直に仕入れた旬の野菜、生乳100%使用の砺波市の牛乳、卵は小矢部市の飼料用米をブレンドした餌で育った鶏の卵、富山県・北海道産の国産小麦粉、油脂は北海道産のバター3種と太白胡麻油を使っています。砂糖はまろやかでミネラルを豊富に含む洗双糖、トマトソースや粒マスタード、ホワイトソース、あんこはすべて自家製です。自ら作れるものは厨房で手間を惜しまず作る、森オーナーが大切に守っていることです。
 季節ごとに美味しい無農薬・減農薬の野菜を届けてくれる地元農家さんとのご縁、そのご縁が新しい出会いをつないで、端境期には県外の農家さんたちからも旬の野菜が届き、彩り鮮やか、たっぷり新鮮野菜が一度に楽しめると、とくに女性たちに好評です。富山県産小麦のみで作るシンプルな食パン、粉の風味がクセになるトラディショナルなバケット、サックリふんわり食感のメロンパン。美味しいという幸せ、体に優しいという幸せ、お客様の食卓に家族の笑顔が生まれる。笑顔の輪が少しずつ広がっていくことを願って、これからもパンを作り続けたい。

幼児にプレゼント!かわいいミニハートパン。

 レジの横に可愛いハートのパンが飾られています。同じパンをお母さんに連れられた幼児にプレゼントしているそうです。「将来、その子どもたちが大きくなって、この店のちっちゃなハートのパンを食べたんだよ!と言ってくれる、そんな日が来たらすごく嬉しい」と爽やか笑顔の森オーナーでした。

パンアリエのいちおしパン

パンアリエ

オーナーの森和宏氏

野菜ソムリエ講座で野菜ソムリエの資格をとりましたが、運転免許証と同じで、知識を習得しても日々実際に野菜に携わり勉強しないと忘れてしまう。産地見学や農家さんとのコミュニケーションでご縁の輪が広がっています。